朝の馬鹿

ファミレスに朝食をとりにいく。
盆あたりだと朝っぱらからガキどもの姿があって鬱陶しかったが、さすがに夏も終わりとなるといつもの風景に戻っていた。でまあ、いつも見かける馬鹿も戻ってきていた。
その馬鹿というのが、座席で携帯電話を大声でしかも長々と喋くりまくる爺さんで。店のどこにいても聞こえるので迷惑このうえない。
これまでの電話での会話を総合すると、

  • 会社勤めをしており、そこそこの地位。指示を下すべき部下がいる
  • 実務はやっておらず、取引先をまわるような立場
  • 会社は建設業らしい

ということが分かっている。
いつもやかましいが、今日はもうひどかった。
「それじゃあよろしく。ところで」
と話を延々と続けるのだ。ここまでくると痴呆だ。

自分が店に入ったときの話し相手は、家人のようである。家の戸締りやら何やら、今日は誰が来るとか何とか、そういう話をしていた。そんなもの前の日の晩か、朝出かける前に話しておけば済むことだろう。
それが終わったと思ったら次は会社の部下あての電話。施工図面を2種類机上に置いてあるが日付の新しいほうに従って作業すること、複写が間に合わなかったから古い日付のも置いてあるが、食い違いがあれば新しい図面に従うこと、という内容を10分くらいかけて話していた。
そんなこと、前の日に申し送りしておくか、図面を置いた時点でメモでも残しておけば、当日仕事にかかる前に電話せんでも済むだろう。

とどのつまりそいつは、外から携帯電話で連絡することで仕事をしているつもりになっているのだろうなあ、と分析した。
よくいる、電話で他部署や営業を叱っただけで懸念が解決したと思っている奴の亜種だろう。しかも会社ではなく、外から電話していることで、自分は忙しい身分なのだと自己を錯覚させて満足している。

こいつに比べたら、昼間っからパチンコ屋でヒマ潰ししている営業マンのほうが自覚があるだけよほどマシだ。