AIR セミ捕りおばさん考

linda32005-05-12


昨晩はさしたる理由もなく帰宅が遅れたので、駅前で一杯ひっかけることにした。
日本酒が安いというので(在庫処分だろう)、日本酒にした。
だから、晴子さんのことを考えた。
 
帰り道、酔い覚ましにと公園のベンチで涼んでいると(肌寒かったが)、なんとなく晴子さんの悲しみが伝わってくるようであった。
彼女は、素面で家に帰ることが出来なかった。娘の顔を見ないで済むように、そして娘の前でだらしない親を演じるために。
一度くらいなら、感情を洗い流すために酒に頼ってもいいだろう。けれど、毎晩そうしないとならなかったら、どうなんだろうか。どこかで時間をつぶし、酒をひっかけ、帰宅してからまた一人で呑む。それは楽しいことだろうか。
酔えば酔うほどに思考が明晰になって、我慢しようという感情を押しつぶそうと覆い被さってきたのではないか。
 
だとすると、悲しい話だ。
一歩踏み出せば、幸せはそこにあるのに。