プロローグ

イベント開場は午前11時。小規模オンリーイベントなら開場前行列なんぞ出来るわけがないので開場時刻にあわせて現地到着すればよかったのだけれど、会社と同じ時間に起きて出発したため、えらく早くついてしまった。具体的には9時くらい。
ファーストフード店でコーヒー飲んで新聞読んで1時間は何とかつぶすも、それ以上は間が持たずやることもないので会場で並ぶことにする。

10時頃にはすでに行列が出来ている。何が悲しくて40spほどしかサークルのないイベントで行列つくらにゃならんのだろう。
と思って列には並ばず、会場前の歩道をうろうろしていると、一人の少年に「ここ、何かあるんですか」と声をかけられる。
イベントがあるらしいです、と他人事のように答えると、彼はまだ話を続けてきて、「罰ゲームでここでやっている『めがねっこ何とか』に行ってくることになったんですけれど」などとここにくるに至った理由を説明してくる。いや説明されても困るのだけれど、一応開場予想時刻くらいはと答えておいた。
彼が何をしてこういう罰ゲームをするに至ったかはまったく不明なのだが、イベントが肩すかしであったこともあって、イベント以外のことが強く記憶に残ったのである。