日本はなぜ敗れるのか

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)
著者は山本七平。戦争に敗れた理由とその後も変わらぬ日本の体質について、小松真一「虜人日記」を引用しつつ論を進めていく。
なぜ虜人日記なのか。フィリピンに軍属として派遣され、その後戦闘に巻き込まれ、終戦後降伏して捕虜となった著者の立場が「自由」であったから、としている。自由というのは、軍属ゆえ外部から軍を観察することが出来、捕虜になった後は米軍の収容所に入れられ、思想教育の類を受けず、また敗戦により混乱した本土からも隔絶された状態で書かれた「本物の記録」だから、というのである。
「虜人日記」に記された敗因21ヵ条を取り上げ、説明を加え、そうして今もその体質が変わっていないことを鋭く指摘している。
あまりにも正確で鋭いので、論理的な反論が出来なかった。
正論であるならば咀嚼して自分のものとせねばなるまい。時間はかかると思うが。
あと引用元となった「虜人日記」にも当たる必要があるだろう。