一兵卒の戦争

今年の夏にNHKで放送されていたもの。機会を得たので鑑賞。
やりきれない思いに満たされる。
第2師団はガダルカナルに投入され、撤退後も本土に帰ることなく前線で補充を受け、ビルマ雲南戦線に投入された。
ガダルカナル戦を生き延びてもそのまま最前線に投入された生存者のインタビュー、「死ななければ帰れない」という言葉は重く突き刺さる。
兵力差で負け、火力で負け、戦略も無しに投入されたというのが我々の視点での戦争であるが、兵士たちの視界に入るのは降り止まない雨であり、弾薬で頭を上げることの出来ない状況であり、運悪く死んでいく戦友だけであった。それだけが一兵卒の知覚できる全てであった、ということを番組は教えてくれた。
そうして生き残った兵士たちは自らの体験に今でも囚われている。彼らの心中を察することは出来ないが、手記や映像を見て、感じたことを素直に心に刻むことだけは出来るのではないか、と思う。