プラネテス

これもまとめて消化。フォン・ブラウン号の乗員選抜試験の話あたり、切実に伝わってくるものがある。
フォン・ブラウン号に乗ることを考え始めたときから、ハチマキは変わっていく。不要なものを一つずつ捨てていって、それでもなお残ったものがフォン・ブラウン号のクルーという夢という結論になる。けれども、閉鎖環境試験の際、彼は一人を殺してでも生き残るすことを一瞬躊躇した。すべて捨てたつもりでいても、捨てられないものが心の奥底に残っていた証左である。
実際、彼は夢を実現してしまった後、自己を喪失する。フォン・ブラウンのクルーになる。それは人生の通過点であるはずだった。が、それをゴールに設定したため、達成したのち、気力を失ってしまう。
このあたり、いまの社会を映し出しているようで、非常に迫ってくるものがある。