意思の介在

他人が落し物をしたとき、「落としましたよ」よりは「落ちましたよ」と注意するほうがいいと言われる。前者には、その人に過失があったようなニュアンスがあるが、後者では事実はどうあれ「不可抗力で」という意味合いにとれるからだ。
もう一つ挙げれば「聞く」と「聴く」の違いみたいなものか。勝手に耳に入ってくるのと、意識してそうするのとの違い。
これを発展させて考えると、「(荷物などが)届きました」よりは「受け取りました」のほうが良いのかなあ、と思える。届いたというのは、単に配達されたという報告であるが、後者は「確かに受け取りましたよ」と、受け取り手の意思が伝わるのではないかと。

で、この話のオチは「新刊落ちました」と「新刊落としました」のどちらが良い表現かという点で。
これに限っては作り手にとっても受け手にとっても同じじゃないのかなあ、と思う。